ピロリ菌検査・治療
ピロリ菌とは
胃の粘膜に生息している細菌です。ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を使ってアンモニアを生成し、身の回りをアルカリ性にすることで胃酸を中和しながら生息し、胃の炎症や潰瘍を引き起こします。ピロリ菌はWHO(世界保健機構)によって「確実な発がん因子」と認定されました。タバコやアスベスト、重金属等と同じカテゴリに分類されています。
除菌治療について
ピロリ菌の感染が疑われる方のうち、次のいずれかに当てはまる方は除菌療法を受けるかどうか医師とご相談ください。
- 内視鏡検査または造影検査で胃潰瘍または十二指腸潰瘍と診断された方
- 内視鏡検査で胃炎と診断された方
- 早期胃がんを内視鏡で治療した方
- 胃 MALT リンパ腫の方
- 特発性血小板減少性紫斑病の方
検査・治療の流れ
必ずお守りください
除菌療法を行っている間は、
アルコールの摂取は厳禁です!
1胃の中にピロリ菌がいるかどうか検査します
採血抗体法・呼気検査・粘膜採取法(胃カメラ時)などの検査を行います。
2一次除菌療法(1の検査で菌がいた場合)
- 胃酸を抑える薬
- 抗菌薬2種類
上記の薬を1日2回、7日間飲んでいただきます。
3除菌できたかどうか確認(検査※)します
かならず検査を受けてください(呼気検査・粘膜採取法を第一選択とします)。
4二次除菌療法(3の検査で菌がいた場合)
- 胃酸を抑える薬
- 抗菌薬
- 一次除菌療法で使用したものと別の抗菌薬
上記の薬を1日2回、7日間飲んでいただきます。
5除菌できたかどうか確認(検査※)します
かならず検査を受けてください。
治療にあたっての注意事項
除菌療法をはじめる前に
これまでに薬を飲んで体調が悪くなったことのある場合や、ペニシリンアレルギーと言われたことがある場合、または現在服用中の薬があれば申し出てください。
治療にあたってのおねがい
- ●確実にピロリ菌を除菌するために、決められた通りに薬を服用してください。
- 必ず3種類の薬を1日2回、7日間服用してください。
- ●自分の判断で薬を減らしたり、服用を中止する前にご相談ください。
- 一度薬を中断すると、治療薬に耐性を持ったピロリ菌が現れて薬が効かなくなることがあります。
- ●除菌療法中は、アルコールの摂取を避けてください。
- ●治療薬で副作用が出る場合があります。
治療中の症状について
- ●発熱・腹痛を伴う下痢がある、便に血が混ざっている、発疹やかゆみが現れた
- すぐに薬を飲むのをやめて、医師または薬剤師に連絡してください。
- ●便がゆるい、軽い下痢
- 残りの薬を最後まで飲んでください。薬を飲み終われば症状はなくなります。
下痢や味覚異常がひどくなった場合は医師または薬剤師にご相談ください。
上記以外の症状で気になることがあった場合、自己判断で薬を飲むのを止める前に医師または薬剤師に相談してください。
検査方法について
呼気検査
ピロリ菌が尿素からアンモニアに変えるときに二酸化炭素を発生させます。この性質を利用して、吐く息の中に二酸化炭素が含まれる量を調べ、ピロリ菌の有無を判定します。
内視鏡検査(粘膜採取法)
胃の粘膜を顕微鏡で観察し、菌の有無を調べます。
お問い合わせはこちらまで
桜十字病院
096-378-1111(代表)
※音声案内に従い、1 番 → 2 番 → 2 番 の順に番号をご選択ください。