『KTSM(口から食べる幸せを守る会)第40回熊本実技セミナー(基礎&スキルアップセミナー)』が当院で開催されました!

 

開催日時:平成 28 年 11 月 5 日(土)9:00~16:00

開催場所:医療法人桜十字 桜十字病院 リハビリテーション室

主催:桜十字病院

共催:NPO 法人 口から食べる幸せを守る会®

後援:株式会社クリニコ・株式会社大塚製薬工場

開催目的:早期経口摂取開始および継続していくために必要なスクリーニング評価や食事介助技術な どの包括的スキルの向上を目的とし開催する。

 

 

 

~熊本地震からの復興と実技セミナー開催に至るまで~

 

4月14日、16日に震度7の地震に2度襲われた熊本。

震源地から10Km圏内にある当院も、被災しておりました。

患者さまやスタッフに、大きな人的被害が無かった事に救われました。

中でも被害が大きかったのが、リハビリテ―ション室です。天井が崩落し、使用ができなくなりました。

震災後は、ロビー横に小さなリハビリテーション室が設け、リハビリを行ないました。

そして震災から半年後の10月24日、セミナー開催13日前に、
修復・改装されたリハビリテーション室が稼働できるようになり、
今回のKTSM実技セミナーを開催することができました。

 

熊本セミナーを開催するにあたり、小山理事長、竹市副理事をはじめとする、
15名のアドバイザーが全国から駆けつけてくれました。

アドバイザーの中には、宮城県気仙沼市から参加をしてくれた4名の仲間たちがいました。

東日本大震災を経験していた彼らから、熊本地震直後に励ましのメッセ―ジが届きました。
避難生活の中でいただいたメッセージに、心救われました。

そして熊本支援の為、熊本セミナーにアドバイザーボランティアとして参加することを決めてくれました。

食支援を通じて、気仙沼と熊本が繋がるセミナーができる。

復興と同時に、口から食べる事への支援の輪が広っていく事の喜びを感じました。

起きてはほしくない自然災害。でも、起きてしまうのが自然災害です。

熊本地震が発生した際、全国のKTSMメンバーが支援物資を送って下さいました。

普段は遠くに離れている仲間たちですが、いつも繋がっているのだと心強く感じました。

そして、仲間を繋いでくださっている小山理事長に、深く感謝を申し上げます。

 

 

セミナーでは全体講義・実技演習・事例紹介・ディスカッション等が行われました。

 

KTSM理事長 小山珠美先生による全体講義

 

各グループに分かれての実技演習風景

 

スプーン操作の実技演習

 

事例紹介

 

一般参加者に交じり、当院からコメディカルも多数参加させていただきました。

参加したスタッフにとっては、食支援技術を学ぶ事も貴重な学びとなりましたが、

患者体験をしたことで、「患者さまの立場に立っていなかった事に気づかされた。」
「不適切なケアや対応をやってきていた。」と、

患者さまの立場を知る(体験する)重要性を学んだと声が上がりました。

そして、キラキラとした目で「即、実践していきます!」と声を掛けてくれました。

患者体験をすることで、ケアには不快なこと、心地良いことがあるという事を知り、

本当の意味で患者さまの立場を理解した瞬間、明日への実践に繋がるのだと思いました。

心が動いたスタッフたちと一緒に、患者さまのために自分に何ができるのか、
皆と何ができるのかを考え、食支援を実践していきたいと思います。
 
熊本セミナーに参加してくださった総勢71名の受講生の皆さまが、患者さまの立場に立った食支援を実践し、

全国で一人でも多くの方々が口から食べる幸せを取り戻し、笑顔になっていただければ幸いです。
 

 

 

口から食べるプロジェクト ディレクターナース

建山 幸