第9回 桜十字NST研究会を開催しました。

期日:2018年8月18日(土)14:00~17:00
場所:桜十字病院 リハビリテーション室
共催:桜十字病院 株式会社クリニコ
参加人数:279名

―― プログラム ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<情報提供>

『 シールド乳酸菌配合製品のご提案 』

株式会社クリニコ

<一般演題>

①咬合の有無が身体機能に及ぼす影響について
桜十字病院 リハビリテーション部 臨床歯科衛生士 寺本 睦

②脳梗塞後廃用症候群の患者の看護 ~ADLの向上と食事改善をめざして~
桜十字病院 さくら館3階 療養病棟 看護師 赤星 友依子

③在宅における食支援の現状と課題
訪問看護ステーションCruto 看護師 下田 加奈 先生

④口腔内から診る食支援 ~摂食嚥下機能における咀嚼機能の重要性について~共愛歯科医院 副院長 園田 隆紹 先生

<特別講演>

『 認知症高齢者の食支援~治らない嚥下障害への対応~  』
大阪大学 大学院歯学研究科 高次脳口腔機能学講座 顎口腔機能治療学教室
准教授  野原 幹司 先生

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今回のテーマは医科・歯科の連携及び認知症の嚥下障害ということで、病院関係者のみならず歯科や在宅関係者にも多数ご参加頂きました。

特別講演では、現在、増加の一途をたどっている認知症高齢者への食支援についてお話し頂きました。

一般的に、認知症は進行性のものであり脳の神経細胞が破壊されていくので、治すことは出来ないと言われています。

認知症による「治らない嚥下障害」に必要なのは、「訓練」という考え方ではなく「支援」です。

『キュア(訓練)からケア(支援)へ』という言葉をキーワードに、何の認知症なのか、症状・病態を理解することで周りが変わり、その患者さんに適切な支援をすることが重要だとお話し頂きました。

今回は4大認知症の内、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症によく見られる症状について解説頂き、病棟でよくみる患者さんの行動が、実はこの認知症の症状だったのかと驚き頷いて聞く参加者も多く見られました。

実例やユニークなジョークを交えながらの分かりやすいお話しで、1時間半の講演があっという間に感じました。

摂食・嚥下障害者に対して『訓練』ではなく『支援』をするという考えには大変反響がありました。

参加したスタッフからは「とても分かりやすかったし面白かった」 「訓練じゃなくて支援が必要なんですね」との声があがりました。

現場での仕事に活かせる非常に身近なテーマだったかと思います。

【特別講演】大阪大学 大学院歯学研究科 高次脳口腔機能学講座 顎口腔機能治療学教室

准教授 野原幹司先生

空間認知についてのお話しもありました。

野原先生と、一般演題の演者の皆様、並びに座長等、桜十字NST関係者との記念撮影。

皆様には大変貴重なお話しを頂きました。ありがとうございました。

今回特別講演でお話し頂いた内容は、野原先生の『認知症患者さんへの食支援』という本の中でより詳細に解説されています。

(著者:野原幹司・2018年6月18日出版・メディカル出版)

また、10月28日に熊本で開催される『ミール・診る・看る~食医から学ぶ共創交流型研修会~』というセミナーに

野原幹司先生も講師として参加されるそうです!