期日:2019年7月14日(日)9:00~12:00
場所:桜十字病院 リハビリテーション室
共催:桜十字病院 株式会社クリニコ
参加人数:458名

今回のセミナーは「10周年記念大会 特別2大講演」と題しまして、お二人の先生をお招きして講演会を開催することになりました!

~プログラム~

【特別講演 第一部】
「摂食嚥下障害にまつわる倫理的ジレンマの気づきと考え」

講師:社会福祉法人 聖隷福祉事業団 浜松市リハビリテーション病院
えんげと声のセンター 副センター長
耳鼻咽喉科専門医 金沢英哲先生

【特別講演 第二部】

「みとり期の食を支えるアプローチ~お食い締め~」
講師:愛知学院大学 心身科学部 健康科学科 准教授
言語聴覚士・日本心理学会認定心理士 牧野日和先生

過去最高の458名の医療・介護従事者の方にご参加いただきました。
前日からの大雨でお足元の悪い中、ありがとうございました。

特別講演第一部では金沢英哲先生より、患者さまとの間で発生する、倫理的ジレンマをテーマにお話していただきました。

前半では嚥下機能障害の評価において、適切な評価ができているのかということを提起し、様々な評価基準を紹介しながら、適切な評価について解説いただきました。

また、検査方法においても、適切なポジショニングで検査が実施できているのか、画像を用いて説明していただき、非常に実践的なお話を頂きました。

後半では、臨床倫理の観点でお話を頂きました。意思決定能力を失っている患者さまに対して、どのような対応が最善の利益になるのか、結論に至るまでのプロセスを大事にすべきであるということでした。

特別講演第二部では、牧野日和先生より、みとり期においての食支援をテーマにお話を頂きました。

前半からユニークなテンポで会場を巻き込んでお話をされ、参加者の心をくぎ付けにしました。

みとり期の食支援についてはあくまでオプションであり、強制すべきではないという理論を提起し、患者さまの自尊心に寄り添った食支援の重要性について解説していただきました。

後半では牧野先生が提起する「お食い締め」をテーマにこれまでの症例を踏まえてお話しいただきました。

みとり期において、患者さまやそのご家族の食べたい、食べさせたいの意思に沿って食によって、幸せなみとりを遂げることや、その方法について解説をしていただきました。

最後は、先生方、座長各位で記念撮影。

本研究会では、『「こんな時、私たちどうすればいいの?」の道しるべ』というテーマのもと、食支援をする中で、摂食嚥下障害の患者さま・看取り期の患者さまに対して直面する課題解決への倫理的思考や人生の意味について考えるきっかけをくださいました。

第10回記念大会にふさわしい貴重なお話を頂き、誠にありがとうございました。