桜十字病院 心臓リハビリテーションのご紹介
今、熊本県の心臓リハビリテーション界隈が盛り上がっていることを、ご存じでしょうか?
熊本県では心臓リハビリを受けやすい体制を整えるため、2023年より『熊本県心臓リハビリテーション推進事業』を立ち上げました。
『熊本県心臓リハビリテーション推進事業』とは?
熊本県の循環器疾患患者に対して心臓リハビリテーションを普及させることで、循環器診療の質の向上と地域の健康・福祉の促進を目的としています。
この事業には、県内の急性期、慢性期、外来リハなど、さまざまな医療機関が関わっており、万が一心臓病になってしまっても、安心して過ごしていける熊本県を目指しています。
桜十字病院、心臓リハビリテーションの今
桜十字病院での心リハは、担当していた医師の一人が数年前に退職したこともあり、それ以来規模を縮小しておこなってきました。
そうした中、今年4月、桜十字の循環器内科を専門とするドクターに、新たに伊藤彰彦医師が加わりました。
前職で熊本赤十字病院の心リハを率いてきた伊藤医師は、前出した『熊本県心臓リハビリテーション推進事業』でも急性期病院として関わってきました。
また、現在当院に在籍する”心臓リハビリテーション指導士”は伊藤医師を含め、なんと7名!
ひとつの医療機関にこれだけの心臓リハビリテーション指導士が在籍することは希少なことで、この事実は桜十字病院の誇れる特徴のひとつといえます。
ここ数年、小規模で運用していた桜十字病院の心リハですが熊本県の盛り上がりもあり、”桜十字のシン・心リハ” 進化時代が到来したと感じています。
桜十字病院の心臓リハビリテーション指導士たち
ここで、桜十字の心臓リハビリテーション指導士をご紹介します。
2024年、林田さんと阿南さんが資格を取得し、桜十字の心臓リハビリテーション指導士が7名となりました。
伊藤彰彦医師にお話をうかがいました!
- 桜十字で心リハに力を入れたいと思われたきっかけをお聞かせください。
日赤のころからずっと携わってきたので、桜十字でもぜひやりたいと思っていました。
ただ、現状は入院患者のみが対象で、外来リハまではおこなえていない状況です。
この現状をみて、入院から外来リハ、そしてレッツリハ!へと連動できる体制を整えたいと考えました。
- 桜十字病院の心リハでは、将来的にどのような形を目指していきたいとお考えですか。
心リハにおいてもシステマティックな体制を構築していきたい。
まずは入院リハを徹底させ、一定の患者数で安全に対応していく。それから、入院患者が退院して、外来診療・外来リハに継続し、レッツリハ!を通した在宅リハに繋げていければと考えています。
また、データも丁寧に蓄積と解析をしていきます。それがポジティブでもネガティブでも効果を目に見えるものにすることで、おこなっているリハビリの評価や必要性の判断に活かすことができます。それによって病院の、ひいては日本のリハビリの問題も見えてくるようになります。
その先にある目標として、心不全などでの再入院を防ぐこと。可能であれば、心リハから始まった患者の寿命をのばすこと。これが一番の目標です。
医療をテーマにしたアニメのキャラクターをあしらった医療用白衣を着用するなど、遊び心のある一面も見せてくださる伊藤医師。患者さまにも気さくにお声かけし、インタビューでも軽快にお話してくださる様子に、進化する桜十字病院心リハの明るい未来が目に見えるようでした。
村上さん(理学療法士)にもお話をうかがいました!
- 心リハ指導士の資格を取得したことにきっかけはありましたか?
学生時代の臨床実習で心疾患の患者さまを経験しました。当時の実習では脳卒中や運動器疾患の患者さまが多かったのですが、心疾患の患者さまを担当させていただき、心疾患でもリハビリテーションで改善できることに興味を持ったことで、心リハ指導士を目指しました。
- では、今回、心リハ再開のお話を聞いた時には、、、
これまでも心リハに携わってきたので、桜十字病院でも心リハをやりたいという思いはありました。今回のお話は、自分の経験を活かせるよい機会と思っていますし、心疾患の患者さまに効果的なリハビリテーションを提供できるのではないかと考えています。
- ところで、現在、限られた機材を利用しながら心リハを実施されているということで、伊藤先生はエルゴメーター中の心電図モニターをチェックされたり、トレーニング後の患者さまの疲労感を確認されたりしていらっしゃるそうですが、セラピストたちは実際にどういったリハビリをおこなっていますか?
運動療法や動作指導をおこなっています。
先生と相談したうえで、患者さまの日々の変化やリスク管理に十分注意をしながら、有酸素運動やレジスタンストレーニングを提供しています。
併せて、患者さまへの教育もおこなっています。薬についてや心臓病の仕組み、食事や栄養のポイントなどについて知っていただくことで、患者さま自身が病気と正しく向き合い、日常生活での注意点や心がけるべきことを理解できるようにサポートしています。
こうした教育が、心不全による再入院を予防することに繋がります。
- 村上さんの心リハでの目標を教えてください。
今、桜十字グループでは予防・医療・介護分野でさまざまな事業を展開しています。多くの心疾患患者さまにリハビリテーションが提供できるように、予防・医療・介護が一体となった体制を整えることができればと思っています。
私も『熊本県心臓リハビリテーション推進事業』に携わっていますが、今、熊本では県全体で心リハを盛り上げようという機運が高まっています。県内、そして全国で多くの患者さまが心リハの恩恵をうけることができ、再発予防、ADL・QOLの改善に繋がっていけるようになることを期待しています。
2030年には心不全の罹患者数が130万人に達する”心不全パンデミック”が起こるといわれています。桜十字でもたくさんの方をサポートできるような体制ができるよう取り組んでいきたいです。
今後の桜十字病院 心臓リハビリテーションの活躍に、ご注目ください!